モシュコフスキーの練習曲と言えば、ショパンのエチュードに入る前によく使われる「15の練習曲」Op. 72が有名ですが、今回はもう少し易しくて、ツェルニー40番と併用で豊かな表現力を磨ける「20の小練習曲」Op. 91をご紹介します。
モシュコフスキー「20の小練習曲」Op. 91
「20の小練習曲(Vingt Petites Études)」Op. 91の難易度はツェルニー30番後半〜40番くらいです。ツェルニー30番はメカニスムの習得に、40番は敏捷な動きに重点を置いていますが、この練習曲集はテクニックの習得だけでなく、楽譜の指示に従いながら音楽的に表情豊かな演奏をすることにも重きが置かれています。
特に、なめらかで流れるようなレガートで弾く練習や、ツェルニーの練習曲で不足しがちな左手の訓練や多声部における旋律の弾き分けの練習も含まれていて、ツェルニー40番の補完として有用です。
ツェルニーと併用する使い方の他にも、単純で機械的な練習曲に馴染めない学習者や大人の学習者がツェルニーの代用として使用するのに適していますし、発表会用のレパートリーとしても活用できます。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
第7番 ト長調 Allegro Brillante
第10番 ト短調 Andante Con Moto
第12番 ハ長調 Veloce
第14番 ハ長調 Animato e leggiero
第17番 変ホ長調 Moderato e Cantabile
第18番 イ短調 Vivo
第20番 変ト長調 Allegro Moderato
楽譜はこちらから
いかがでしたか?練習曲とはいえ上品で美しい旋律がとても魅力的ですね。お使いの練習曲と併用して練習することにより、和声を意識しつつ旋律を美しく表現し、音楽を上品に仕上げるコツを身につけてください!おすすめの一冊です。
TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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