初歩の学習者は弾ける範囲に限りがあるので、ピアノに対する興味を失ってしまうこともありますが、ディアベリのピアノ連弾曲は初歩の学習者がピアノを演奏する喜びを味わい、モチベーションを高めるのに役立ちます。今回は全音楽譜出版社の「ディアベルリ ピアノ連弾曲集」1と2をご紹介します。
アントン・ディアベリ
「ディアベルリ ピアノ連弾曲集 1 旋律的小品」
全音楽譜出版社の「ディアベルリ ピアノ連弾曲集(1)旋律的小品」 には、ディアベリ(ディアベルリ)作曲の「旋律的小品 Op. 149」の28曲と「ソナチネ 第1番 ハ長調 Op. 24-1」が収録されています。
第1ピアノは全て5度以内で動くように作られていて、ユニゾンも多く、初歩の段階から弾くことができます。にもかかわらず、第2ピアノの伴奏の効果で豊かな音楽を感じることができ、初歩の学習者の満足度も高く、練習に対するモチベーションも上がります。
また、第2ピアノも初中級レベルで弾けるので、レッスンの時間が前後する生徒に弾いてもらうようにすれば、他の演奏者と共感しながら一緒に音楽を作っていく勉強にもなり、一石二鳥です。一曲一曲が短いので時間的にも負担にはなりません。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
第5番 Allegretto Op. 149-5
第6番 Scherzo Allegro Op. 149-6
第10番 Allegro Op. 149-10
第11番 Romanza Op. 149-11
第17番 Rondino Op. 149-17
第26番 Alla Turca Op. 149-26
「ディアベルリ ピアノ連弾曲集 2 6つのソナチネ」
同じく全音楽譜出版社の「ディアベルリ ピアノ連弾曲集 2 6つのソナチネ」には、「6つのソナチネ Op. 163」の6曲が収録されています。それぞれ3つの楽章からなり、曲の長さも5分程度なので、発表会のレパートリーとしてもよく使われます。特に第6番は映える曲なので人気があります。
この曲集でも第1ピアノは5度以内で動くように作られているので、初歩の段階でも弾くことができ、学習者がソナチネの形式の少し長い曲に触れ、音楽を表現する経験をするのに有用です。第2ピアノは初中級で弾くことができ、和声やリズムを学ぶのに役立ちます。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
6つのソナチネ 第1番 ハ長調 Op. 163-1
6つのソナチネ 第2番 ト長調 Op. 163-2
6つのソナチネ 第3番 ヘ長調 Op. 163-3
6つのソナチネ 第4番 ニ長調 Op. 163-4
6つのソナチネ 第5番 イ長調 Op. 163-5
6つのソナチネ 第6番 ニ短調 Op. 163-6
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楽譜はこちらから
いかがでしたか?古典的でシンプルな音楽なので理解しやすく、何よりもピアノを弾く楽しみを味わえる曲ですね!連弾曲の入門書も言えるディアベリの連弾曲集を上手に活用して、初歩の学習者の興味を高め、音楽を奏でる喜びを感じられるようにしてあげましょう。
中級に入ったら、爽やかで美しい、ドビュッシー「ピアノ連弾のための小組曲」もおすすめですよ!
TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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