ハチャトゥリアンと言えば、「剣の舞」を思い浮かべる方が多いと思いますが、ピアノ曲はあまり広く知られておらず、弾く機会も少ないかもしれません。今回はハチャトゥリアンの独特な感性とリズムを易しめの曲で楽しめる、「こどものアルバム」第1集, 第2集をご紹介します。子供たちも楽しく弾ける曲がいくつも含まれていますよ。
「こどものアルバム」
ハチャトゥリアンの「こどものアルバム」には、第1集(「少年時代の画集」)と第2集(「少年時代の響き」)があり、それぞれ10曲ずつで構成されています。難易度は初級〜中級レベルで、易しいながらもハチャトゥリアンの独特の個性やリズムを十分に楽しめる曲集です。
この曲集は短い曲が多いので、他の曲と組み合わせて発表会のレパートリーとして人気です。また、こういうタイプの曲が好きな生徒であれば、レッスンの教材として取り入れると、楽しく学べて、モチベーションの向上にも役立ちます。(日本の作曲家によるものであれば、平吉毅州「虹のリズム」も良いですね)
「こどものアルバム 第1集 少年時代の画集」の収録曲

第1集のうち、インヴェンションとフゲッタを除く8曲が「イワンの冒険」という異なる題名でも出版されていて、曲名もそれぞれ異なります。別の色で示しました。
- 「小さな歌(アンダンティーノ)」(イワンは歌う)
- 「スケルツォ」(イワンは今日外に出られない)
- 「お友達は病気」(イワンは病気)
- 「誕生日のパーティー」(イワンはパーティーに行く)
- 「エチュード」(イワンはとても忙しい)
- 「昔のお話」(イワンとナターシャ)
- 「木馬」(イワンのおもちゃの馬)
- 「フォークダンス(ギャロップ)」(不思議な島の物語)
- 「バレエのひとこま(インヴェンション)」
- 「フゲッタ」
「こどものアルバム 第2集 少年時代の響き」の収録曲

第2集の「トッカータ」は「ピアノのためのトッカータ 変ホ短調」(1932)とは異なる曲ですが、こちらもなかなか面白い曲ですよ!
- 「なわとび」
- 「夕べのお話」
- 「東洋のおどり」
- 「ブランコにのった豹」
- 「タンブリン演奏」
- 「2人のおかしなおばさんが、けんかをしました」
- 「葬送の行進」
- 「リズム体操」
- 「トッカータ」
- 「フーガ」
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
第1集より「小さな歌(アンダンティーノ)」
第1集より「エチュード」
第1集より「木馬」
第1集より「フォークダンス(ギャロップ)」
第2集より「2人のおかしなおばさんが、けんかをしました」
第2集より「トッカータ」
「こどものアルバム」第1&2集(全曲)
楽譜はこちらから
いかがでしたか?易しめの曲でありながら、ハチャトゥリアンの独特な感性とエネルギーを感じることのできる「こどものためのアルバム」第1集と第2集をレッスンや発表会で活用しみてくださいね。

発表会のレパートリーに使える「ソナチネ」が収録されている「ピアノ作品集」と「ピアノのためのトッカータ」に関するこちらの記事もご参考ください!

TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。