20世紀ソ連を代表する作曲家の一人であるハチャトゥリアン。アルメニア出身で、コーカサス地方の民族音楽を西洋音楽の書法に融合させて生まれた音楽は、個性豊かなリズムとエネルギーに満ちた独特の感性を放っています。今回はピアノで彼の独特な感性とリズムを味わえる「ハチャトゥリアン ピアノ作品集」と「トッカータ」の楽譜をご紹介します。
「ハチャトゥリアン ピアノ作品集」
全音楽譜出版社の「ハチャトゥリアン ピアノ作品集」には、発表会のレパートリーや課題曲としても使われる「ソナチネ」といくつかの初期の作品が収録されています。「ソナチネ」を弾くためにこの楽譜をお求めになる方も多いと思いますが、ハチャトゥリアンのスタイルを知る上でそれら初期の作品も役立ちますのでご参考になさってください。難易度は中級〜上級のはじめ位です。
「ハチャトゥリアン ピアノ作品集」の収録曲
ワルツ・カプリースとダンスは1926年、ポエムは1927年、ソナチネは1958年に作曲されました。
- Waltz-Caprice(ワルツ・カプリース)
- Dance(ダンス)
- Poem(ポエム)
- Sonatina C-dur(ソナチネ ハ長調)
「ハチャトゥリアン ピアノのためのトッカータ」
ハチャトゥリアンが1932年に作曲した「ピアノのためのトッカータ」の楽譜も全音楽譜出版社から出ています。1938年の出版当時、ピアノを弾く人は皆がこぞって弾くほど人気を博したそうですが、今でもハチャトゥリアンのピアノ曲の中で演奏機会の多い曲で、その強烈なイメージとリズムには中毒性があります。
この「ピアノのためのトッカータ」は、「こどものアルバム 第2集 少年の響き」に収録されているトッカータとは別の曲ですが、どちらもおすすめの曲です。難易度は「ピアノのためのトッカータ」が上級レベル、「こどものアルバム」のトッカータが中級レベルです。ご参考までに。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
「ワルツ・カプリース」〜「ダンス」
「ポエム」
「ソナチネ ハ長調」
「ピアノのためのトッカータ」
楽譜はこちらから
いかがでしたか?独特な感性とリズムがくせになりますね。中級〜上級レベルの方であれば、ぜひご自身のレパートリーに加えてみてください!初級〜中級レベルでハチャトゥリアンの魅力を楽しみたい方は「こどものアルバム」をチェックしてみてくださいね!
TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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