卓越したピアニストの経験とノウハウ!「サン=サーンス エテュード集」

2021年で没後100年のサン=サーンス。連弾曲の「動物の謝肉祭」の他にピアノ曲はあまり有名ではありませんが、実は非常に優れたピアニストであったことをご存知ですか? 今回はサン=サーンスが卓越したピアニストとしての経験とノウハウを惜しみなく注ぎ込んだエチュード集(Op. 52, 111)をご紹介します。

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「サン=サーンス エテュード集」

シャルル・カミーユ・サン=サーンス
シャルル・カミーユ・サン=サーンス(Charles Camille Saint-Saëns, 1835-1921)

サン=サーンスはフランスの作曲家、ピアニスト、オルガニストです。2歳でピアノを弾き、3歳で作曲をしたと言われる神童で、10歳の時にはバッハ、モーツァルト、ベートベンなどの曲目で演奏会を開き、13歳でパリ音楽院に入学、特にオルガン演奏で卓越した才能を見せました。

サン=サーンスは生前にエチュード集を3作品(Op. 52, 111, 135)、合計18曲残しています。それら両手の特定のテクニックを強化するためのエチュードには、優れたピアニストとしてのサン=サーンスの知識や経験、ノウハウが詰まっています。

サン=サーンス エテュード集(全音楽譜出版社)
「サン=サーンス エテュード集」(全音楽譜出版社)

全音楽譜出版社から出ている「サン=サーンス エテュード集」には、そのうちOp. 52と111が収録されています。それぞれの作品は6曲の構成で、ロマン派形式のもの、プレリュードとフーガ、印象派風のものなど音楽の形式は様々です。それぞれ6番目の曲は演奏効果が高く、単独で演奏されることもあります。

「6つの練習曲」Op. 52

  1. Prélude(前奏曲)
  2. Pour l’Indépendance des Doigts(各指の独立のために)
  3. Prélude et Fugue(プレリュードとフーガ)
  4. Étude de Rythme(リズムの練習)
  5. Prélude et Fugue(プレリュードとフーガ)
  6. En Forme de Valse(ワルツ形式で)

1877年作曲(第2番は1868年)。第2番は和音のうち大きな音符で記されている音だけを際立たせて弾くユニークな練習曲。第4番は2:3のクロスリズムの面白い練習曲です。第6番はウジェーヌ・イザイにより「ワルツ形式の練習曲による奇想曲」として、ヴァイオリンとピアノまたは管弦楽のために編曲されたものもあります。

(Bartje Bartmansより)

「6つの練習曲」 Op. 111

  1. Tierces Majeures et Mineures (長3度と短3度)
  2. Traits Chromatiques (半音階の奏法)
  3. Prélude et Fugue (プレリュードとフーガ)
  4. Les Cloches de Las Palmas(ラス・パルマスの鐘)
  5. Tierces majeures chromatiques(半音階の長3度)
  6. Toccata d’après le Cinquième Concerto (第5協奏曲によるトッカータ)

1899年作曲。第1番はショパンのエチュードOp. 25-6に似た3度の練習。第2番は五指全てを使う半音階の練習。第5番は長3度の半音階がひたすら出てくる難曲。第6番はピアノ協奏曲第5番のフィナーレをもとにしていて、華麗な演奏効果で単独演奏の機会も多い曲です。

(Bartje Bartmansより)


いかがでしたか?リストと並び当代きってのピアニストと称されたサン=サーンスの技量を計り知ることのできる高度な練習曲ながら演奏効果も十分ありますね。サン=サーンスが自身のピアニストとしてのノウハウを惜しみなく教えてくれるエチュード集、ぜひ活用してみてくださいね。

楽譜はこちらから

TeeJay

TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。

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