最近はピアノ初心者のための教材も種類が豊富なので、各教材の特徴をよく比べて学習者に合ったものを選ぶ必要がありますね。大人の学習者であれば、かわいいイラストのついた子供用教材よりもシンプルなものを望まれるでしょう。今回はクラッシックスタイルでシンプルな「グルリット 初歩者のための小練習曲」をご紹介します。
コルネリウス・グルリット
「グルリット 初歩者のための小練習曲」
グルリットの「初歩者のための小練習曲」Op. 187はピアノの初歩から始めて簡単な曲を弾けるようになるまで、効率的に学べるよう曲が配列されています。54の曲はいずれも短く全体で30ページほどの量です。ピアノ練習に多くの時間を費やせない大人の学習者や自分で少しずつ弾きたい方にもおすすめです。
「初歩者のための」練習曲なので、最初は指番号と位置を覚えることから始まりますが、最後の方ではすっきりとしてかわいらしい曲が登場します。大まかな構成は以下の通りです。
- 1〜10番:両手をほぼ同時に動かしながら、ト音記号の音符の位置、指番号を覚えます。
- 11番から:両手の異なる動きを最初は単純な音から始めて、だんだん難しくしていきます。
- 24番から:ヘ音記号が登場しますが、混乱を避けるため再び2分音符の練習から!
- 28番から:ハ長調以外の調性も学びます。(ト長調、イ短調、へ長調、ニ長調)
- 33番から:短い曲を演奏しながら基本的な技術を身につけます。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
「初歩者のための練習曲 1番」
「初歩者のための小練習曲 6番」
「初歩者のための小練習曲 35番」
「初歩者のための小練習曲 47番」
「初歩者のための小練習曲 48番」
「初歩者のための小練習曲 53番」
楽譜はこちらから
いかがでしたか?同じ音形を反復練習するタイプの練習曲ではないので、途中でいきなり難しくなったように感じるかもしれませんが、短い曲なのであせらず少しずつ練習してみるようおすすめします。また、もう少し分量を増やせる方は時折ほかの教材の曲を追加して、楽しくピアノを学んでみてくださいね。
グルリット作曲の「ガヴォット」や「小さなロマンス」が収録されている「ピアノ名曲150選 初級編」でいろいろな曲を練習してみよう!
TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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