
最近は昔と違って初歩〜初級用教材の種類も豊富ですね。でも中級以降のツェルニー30→40→50番という流れは今なお健在。結局ツェルニー30番を選ぶことが多いと思いますが、その前に使える教材としてはいくつかの選択肢があります。今回はその一つ「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」をご紹介します。
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」

バイエルや、バーナム、バスティンなどで導入課程を終えてからツェルニー30番に入るまでに使える教材には、昔ながらのツェルニ−100番やブルグミュラー25番、ルクーペのピアノの練習ABCやラジリテー、「チェルニー やさしい20の練習曲」など色々あると思います。
しかし、中級以降ツェルニー30番から50番まで延々と続くので他の作曲家の練習曲の方が良かったり、ルクーペは2冊で量が多く感じたりするかもしれません。そんな時は「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」(全音楽譜出版社)も一つの選択肢になります。きれいな曲が多いので大人の学習者にもおすすめですよ!
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」の特徴

その1:テクニック習得と音楽性のバランスが良い。ルモワンヌ(ルモアーヌ)はパリで活動したので、少し後輩のルクーペの練習曲と同じようにメロディーや和声が洗練され美しいところがツェルニーの練習曲と異なります。またルクーペはラジリテーになると機械的な練習が増える印象ですが、この練習曲は全体的にテクニック面と音楽性のバランスが保たれています。
その2:左手の練習が程よく取り入れられている。初級の教本の欠点としてよく挙げられるのが、左手の練習不足ですが、この練習曲では右手と同様ではなくとも、左手のフレーズが度々登場して左手のテクニックも鍛えられるように配慮されています。
その3:曲の長さが長くなく負担にならない。ルクーペの2冊も25曲ずつで合わせると50曲ですが、この練習曲は一曲の長さがほぼ1ページかそれ以下なので譜読みの負担をあまり感じさせません。譜読みの苦手な子どもや大人の学習者にも使いやすい教材です。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第3番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第10番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第18番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第22番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第23番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第31番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第34番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第41番
「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」より第44番
楽譜はこちらから
いかがでしたか?テクニックの習得と音楽性のバランスが程よく保たれていて、きれいめなメロディーと和声で練習できる「ルモアーヌ こどものための50の練習曲」。ソナチネアルバムなどと併用して、ピアノを弾く楽しみを失うことなくツェルニー30番に入れるよう活用してみてください!

TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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