
ラウタヴァーラという作曲家をご存知ですか?あまり広く知られていませんが、シベリウス以来最も偉大なフィンランドの作曲家と称されています。今回は、ラウタヴァーラのピアノ作品から壮大で神秘的な響きをもつエチュード集 Op. 42をご紹介します。
エイノユハニ・ラウタヴァーラ

「ラウタヴァーラ エチュード集」

1969年に作曲された「エチュード集」Op. 42には、ラウタヴァーラの1960年代のスタイルが集約されています。ピアノの音域を広々と使って繰り広げられる音の連なりは、音の空間という宇宙の隅々にまで伸びていくような壮大さと深遠で神秘な力を秘めています。難易度はツェルニー40番〜50番程度です。

*全音楽譜出版社から出ていた楽譜は残念ながら、絶版になってしまいました。現在日本ではあまり出回っていませんが、フェニカ・ゲールマン(Fennica Gehrman)社の「ラウタヴァーラ エチュード集」を探してみてください。(フェニカ・ゲールマン社の公式ページはこちら)
「ラウタヴァーラ エチュード集」の収録曲
- Terssit(三度)
- Septimit(七度)
- Tritonukset(三全音)
- Kvartit(四度)
- Sekunnit(二度)
- Kvintit(五度)
曲の題名は全て音程を表していて、このエチュードの目的はそれぞれの音程の探求です。最初の曲を除いて不協和音が用いられていますが、ラウタヴァーラの作品は他の現代音楽作曲家による難解な作品に比べると分かりやすく、演奏も比較的容易ですので、ぜひ弾いてみてくださいね。
収録曲をYouTubeで聴いてみよう!
ラウタヴァーラ エチュード集 Op. 42(全曲)
楽譜はこちらから

「ラウタヴァーラ エチュード集」(フェニカ・ゲールマン社)
フェニカ・ゲールマン社の公式ページで見る
https://webshop.fennicagehrman.fi/page/product/etudes-etydit/104917
いかがでしたか?音の宇宙が広がっていくようで、聴いていて引き込まれる神秘的なエチュードですね。いつもの練習に加えて少し変わったタイプの曲を弾いてみたい時にぜひ挑戦してみてください。

フィンランドの最も偉大な作曲家と言われるシベリウスの美しいピアノ曲もぜひレパートリーに加えてみてくださいね!

TeeJay
ピアノ教師。海外のとある国でピアノを教えつつ感じたのは、良質の楽譜に容易に接することができる環境は本当にありがたいということ。ピアノレッスンや練習で、テクニックの習得だけでなく、音楽を表現する楽しみを味わうのに役立ついろいろな楽譜をご紹介しています。
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